「ノブレス・オブリージュ」トヨタの不具合連鎖

 昨年から今年にかけて、日本の技術、品質におけるトップランナーであるトヨタ自動車の不具合に関するニュースが立て続けに注目されました。

 私も自動車業界に勤める身。他人事ではありません。

 そんな中で、この本のタイトルが目に飛び込んできました。

フォトリーNo.200
不具合連鎖-「プリウス」リコールからの警鐘不具合連鎖-「プリウス」リコールからの警鐘
(2010/03/18)
日経BP社 トヨタリコール問題取材班

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 「トヨタバッシング」という言葉をよく耳にします。今回のリコール問題は従来とは異質なものが入ってきています。

 その結果、「連鎖」という負のスパイラルに陥ってしまったようです。

 自動車という商品は極めて技術的に高度なものになっています。性能、快適さ、安全性、これらを追求しつつ、価格も抑えなければならないという環境に立たされています。

 歯車が一つ狂うと、「連鎖」はとどまることを知りません。今日学んだことはこれです。

  • Scheme193:ノブレス・オブリージュ。あなたが選ばれし者の義務をはたす救世主であらんことを。

  • 不具合連鎖の第一歩


    「それは一本の電話からはじまった。」

     第1章のサブタイトルがこのように書かれています。トラブルが発生した車両からの緊急通報。全米で報道されたそうです。悲惨な事故です。

  • Toyota 911 Call Of Family's Fatal Lexus Crash

  •  この半年間でいろんなトラブル報告が報道されています。それらの経緯や原因調査結果などが詳しく紹介されています。

     立て続けに起こった連鎖とはこれだけあったんですね。

    ①ES350のフロアマットとアクセルペダル干渉による暴走事件(09.8.28)
     詳細はこちら参照ください。

  • 米レクサス運転手、1割が「暴走経験」 当局調査に回答

  •  この事件ではユーザーが社外品のフロアマットを使用したため、アクセルペダルに干渉し、アクセルが戻らず暴走したそうです。トヨタは構造上の欠陥はないと。ところが・・・。

    ②フロアマットとアクセルペダル干渉問題をリコール届け出(09.09.29)
     構造上の欠陥はないと言ったばかりですが、やっぱりありましたというリコール。アクセルペダルを短い仕様に変更。

    ③アクセルペダルが戻らないというリコール届け出(10.01.21)
     さらにアクセルペダルの構造に問題があったという不具合が発覚。ペダルモジュール内部構造を対策。

    ④プリウスのブレーキに関するリコール届け出(10.02.09)
     その後プリウスでブレーキが効きにくいというクレームが増加。ABSとの協調制御に問題が発覚。これまたリコール。

    ⑤パワーステアリングの不具合の疑い

    ⑥電子制御スロットル不具合の疑い

     どれも記憶に新しい報道内容です。6つも続いていたんですね。冒頭で紹介した「異質なもの」とはリコールの出し方のことです。

     従来リコールとはメーカー側が対策仕様を決定してから届け出るのが一般的でした。

     しかしながら、今回の事件では対策仕様が決まってないにもかかわらずリコールを届け出。結果的に対策仕様が決まるまで販売停止という状況に陥ってしまいました。

     本書でも「リコールの定義を変えた」と紹介されています。

    「ノブレス・オブリージュ」選ばれ者の義務


     では、なぜ「トヨタ・バッシング」がここまで大きくなってしまったのでしょうか。本書では後半に有識者による見解が紹介されています。その中でシンプルに説明していた言葉にピンと来ました。

    「ノブレス・オブリージュ(選ばれし者の義務)を怠ったため。」

     08年にGMの販売台数を超え、世界トップの座に上り詰めたトヨタ自動車。そしてその翌年からの不具合の連鎖。

     選ばれし者が果たさなければならない義務があったはず。上り詰めた勝者は、盲目となり、いずれ敗者となる。

     敗者となる前に、信頼を回復して欲しいです。本書から学んだ教訓は多いです。

  • Scheme193:ノブレス・オブリージュ。あなたが選ばれし者の義務をはたす救世主であらんことを。

  • 復習 Try117:好景気ニュースを見つけよう!「不況」というフレームをリフレーミングすれば「好景気ニュース」は見つかる
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