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制約条件がつくりだす会議シミュレーション

 今日は久々に「会議」の話題をとりあげます。こんにちは、コンセプトデザイナーの多ぁ望です。

 会議の進行を円滑に行うスキルをファシリテーションと呼びます。

 このブログでは「ファシリテーション」カテゴリに24件の記事が蓄積してきました。

 特にファシリテーション・グラフィックと呼ばれる技術はまわりをうまく先導できる効果があります。つまりホワイトボードなどを使う板書のノウハウです。その重要性を今まで伝えてきましたが・・・。

 今回、あるセミナーで面白い経験ができたので紹介したいと思います。

 5人グループでひとつのシチュエーションが与えられてグループ討議を行うもの。

 ただし、討議進行にあたって以下の成約条件が課されました。

1.ホワイドボードの使用は禁止、メモを見せ合うことも禁止
2.事前の役割設定も禁止


「えー?」

 ファシリテーション・グラフィックを得意とする自分にとって、衝撃的な成約条件でした。

 さて、その結果はいかに??


ファシリテーション・グラフィック―議論を「見える化」する技法 (ファシリテーション・スキルズ)ファシリテーション・グラフィック―議論を「見える化」する技法 (ファシリテーション・スキルズ)
(2006/09)
堀 公俊、加藤 彰 他

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 今日のスキーマです。

  • Scheme464:何も書かず、役割を決めなくとも、議論はゴールに導ける。制約条件が現実の会議に近づけてくれる。

  • 制約条件下でのグループ討議


     内容は公開できないので、アレンジしたテーマで紹介します。

    参加者5名は、ある配送業者の支店長。それぞれ5つの地区の売り上げや、環境の変化、ライバルの状況などが情報として渡されます。他の支店の情報はお互いにわかりません。
     今期入社した3名の新人をどこに配属させるかを決定しろというミッション。

     さて、こんな状況下で先にあげたルールに従って議論がスタートしました。

     以下簡単に状況遍歴と私の発言例(青字)を紹介します。あくまで私は一店長として参加しましたが、最終的にはファシリテーターを担っていました。

    1.現状の共有
     まずはお互いがどこの店長かも実際わからず、その支店がどんな状況にあるかも不明。いろんなひとがポツポツ情報を出し始めるが、断片的。

    「あ、すみません。断片的ではなくて売り上げと目標達成率と担当地域を順番に言ってください。」と情報の補足を行いました。(A.不足情報の要求)
     
    2.要望する人材
     全地域の現状の情報が集まったところで、次にどんな人材が欲しいのか?という議論に移りました。ここでは「こんな人材を求めている」という意見がポツポツでたんですが・・・。ここでも追加要求。

    「あ、すみません。求めている人材ではなくて具体的な名前を指定して、その理由を述べてください。」と促しました。(B.具体的な人物とその理由)

    3.発散:食い違いの認識
     すると、要求する人物が重なる支店が当然出てきます。そこでこっちが優先だ、あっちが優先だという議論がぶつかります。ただし、求める視点がずれているのでそれを認知してもらいました。

    「短期的に人が必要なところと、長期的に増やしていくべきところがありますよね。」ということでゴールの方向性を示しました。(C.短期的/長期的視点を示す)

    4.短期的優先順位
     それによって、まず緊急に必要な支店を洗い出し、短期的な優先順位を決定。

    5.発散:新たな順位付けの提案
     続いて、長期的にはどんな配置にすべきか議論に入ったところで、第三の順位付けの考え方があがりました。

    「個人の強みに応じた選択も必要だと思います。」

     確かにそういう考えも必要です。

     ここで発散しかけていたので、自分達がどこまで進んできて、何を決めれば良いのかを確認しました。

    「ちょっと確認させてください。短期的には3名の新人はこれでよかったですよね。長期的な優先順位は○○であとはここを決めれば良いですよね?」(D.中間の位置づけ共有、短期の整合)

    6.長期的優先順位
     ということで最終的に合意された順位が決まり、当初のゴールからさらに一歩進んで長期的な視野も含めたゴールを導く事ができました。最後に行ったことは読み合わせです。

    「ということは、短期的、長期的な計画を踏まえてこういう提案でよろしいですね?ありがとうございました。」(E.整合結果の読み合わせ)

     と締めくくったところで制限時間となりました。

     今回行った議論の方向性はこんな感じになります。

    ファシリテーションガイド

     当初のミッションは入ってきた新人をどこに配属させるか?という結論。つまりゴール1を決めること。

     ところが議論の後半で短期的、長期的に組み合わせた提案をするべきという方向に持っていき、ゴール2を定めて結論に持っていくことができました。

     何も書かなくとも、中間点で今どこまで議論し、何に向かって何を決めれば良いかを常に参加者の頭の中に描かせていくとゴールにたどり着けることを実感しました。

    その制約条件の意味は?


     さて、冒頭の2つの制約とはどんなねらいだったのでしょうか?

    ホワイドボードの使用、メモの共有は禁止

     本来、ホワイトボードを使ってファシリテータが図解しながら進めると効果的なんですが、実際の会議ではファシリテータが設定されておらず、会議を呼びかけたひとが進めることがほとんど。
     さらには議事をとる役目も不明確で、誰も何も書かずに進んでいくことも多々あります。

    事前の役割設定も禁止
     よくファシリテーションセミナーなどでは、事前にファシリテーター、タイムキーパー、プレゼンターを決定して議論を進めることが多いですが、実際の会議ではそんなことはまれ。

     誰かが交通整理をしていかないと、めざすゴールが曖昧になって、まとまらないということになりかねません。

     自発的にその場のメンバーから、必要な役目を発揮する人が求められていきます。

     今回の制約条件は、実際に起こっている会議に極めて近い条件を創りだしていることを実感しました。

  • Scheme464:何も書かず、役割を決めなくとも、議論はゴールに導ける。制約条件が現実の会議に近づけてくれる。
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