失敗の本質から28年

 今日は再び「失敗の本質」を取りあげます。こんにちは、コンセプトデザイナーの多ぁ望です。

 失敗の本質は1984年に発表されたもの。あれから28年を経て、再び野中郁次郎氏とその共著者が集い、新にリーダーシップについてまとめがものが出版されました。

 前回はこちらの記事で取りあげました。

  • Scheme415:読書には順番がある。戦況の背景を知らないと失敗の本質は理解できない。

  •  この記事ではまずこんな言葉を紹介しました。

    あのエジソンは「失敗は成功の母である」と言ったように、失敗には成功につながる何かが隠れています。

     でもこの本ではそれとまったく反対のことが書いてありました。

    「失敗は成功の元である。」ではなくて、

    「成功は失敗の元である。」

     ちょっと衝撃。でも確かにそうなんです。

     野中氏は経営学の第一人者。本書では今まで築いた様々な理論背景をあてはめて解説しています。

    No.495

    失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇
    (2012/07/27)
    野中 郁次郎

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  • Scheme417:成功は失敗の元。過去の成功体験に捕らわれてはならない。

  • 成功は失敗の元


     「失敗の本質」では6つの戦闘について組織的な問題点を日本軍とアメリカ軍の対比で分析しています。そして今回の本ではさらにそれぞれの作戦におけるリーダーシップ像に注目した解説がなされています。

     日本軍の象徴として語り継がれているのはゼロ戦の戦闘力。いや、機動力です。軽量化をつきつめた結果、得た機動力はアメリカ軍も恐れをなしたほど。

     しかしながら、軽量化ゆえに装甲板がほとんどなく、銃撃されるとひとたまりもないという状態。

     さらには軽量化ゆえに航続距離も長く、パイロットに負荷の高い作戦が展開されました。それは不時着してもパイロットが生還できる確率も低い。

     一方のアメリカ軍のグラマンは機動力はかないませんが、装甲板をしっかり装備することでパイロットの命を守ることを重視しました。不時着してもパイロットを回収するための軍艦も配備。

     極めて対称的なアプローチです。結果的に戦闘員の数を消耗する日本軍と、不時着しても経験を活かして再び戦場に戻れるアメリカ軍との運命が分かれたのは当然です。

     ここで「ゼロ戦の機動力」に着目すると、それは日本軍におけるひとつの成功事例。

     そこに固執し続けた結果、気づけばアメリカ軍の戦闘機は性能を上げ、性能が逆転することに。

     このような「過去の成功体験の固執」にしばられて変化に追いつけなかった局面を多々見せてくれたのが失敗の本質でした。

    「攻撃は最大の防御」

     という言葉が当時言われていましたが、この言葉こそ「成功は失敗の元」を示したものだと思いました。

     これは個人にも当てはまります。経験を積んだエキスパートが陥りがちなのが「自分がうまくいった」経験で新たなものごとを判断すること。

     ここからはイノベーションはうまれません。

     養老先生のバカの壁と同じです。これらの固執を手放す努力も必要です。

    バカの壁 (新潮新書)バカの壁 (新潮新書)
    (2003/04/10)
    養老 孟司

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    フロネティックリーダーになろう


     野中氏はこの本の中で、「フロネティックリーダー」というリーダーシップ像を提案しています。フロネティックとはフロシネス=賢慮を語源にしたもので、実践的な知恵を備えたリーダーを示します。

     本書では日本軍で活躍した様々なリーダーシップ像が登場しますが、その中で特に重要視しているのが、現場を知り尽くしたリーダー像です。

     その具体事例として、本田宗一郎氏をあげていました。

     この言葉にフロネティックリーダー像が表れています。そういえば、ホンダのTVCMで流れていましたね。

    「試すひとになろう」

     理論だけでは周りを動かすことはできません。実践をもってはじめて説得力が出てくるもの。

  • Scheme417:成功は失敗の元。過去の成功体験に捕らわれてはならない。
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    2012.11.20 (Tue) 03:49 | まっとめBLOG速報