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子供と大人の判断力

 今日は再びヒューリスティクスの話題を書きたいと思います。こんにちは、コンセプトデザイナーの多ぁ望です。

 前回は「クーティーズ・ヒューリスティクス」という言葉を取りあげました。

  • Scheme403:3秒ルールとはクーティーズ・ヒューリスティクスによるもの。人の判断にはゆがみが常に存在する。

  •  今回は「なじみヒューリスティクス」を取りあげます。

     先週の9月1日、防災の日にNHKでは東日本大震災に関連したTV番組をやっていました。

     ちょうどこの本を読んでいたときだったので、その内容がこの本で紹介されていたヒューリスティクスに一致したんです。

  • NHKスペシャル「釜石の“奇跡”~いのちを守る特別授業~」

  •  3.11の大震災では大津波による甚大な被害がありました。そんな中で注目されているのが「釜石の奇跡」と呼ばれる釜石小学校134名全員が助かったという事実です。

     そこには偶然の奇跡ではない、子供達の行動がありました。

     それは避難訓練の成果でもあり、子供達のヒューリスティクスに左右されない判断力があったからでもありました。

    No.480

    思い違いの法則: じぶんの脳にだまされない20の法則思い違いの法則: じぶんの脳にだまされない20の法則
    (2012/04/05)
    レイ・ハーバート

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     今日のスキーマです。
  • Scheme405:経験が想定を創り出し未来を見通す。それが判断をゆがめる危険性がある(なじみのヒューリスティクス)。

  • なじみのヒューリスティクス


     この本の冒頭では3名の山岳スキーヤーのエキスパートが判断を誤り、雪崩に巻き込まれて仲間のひとりが亡くなったという事件からはじまります。

     そのシーズンに雪崩の危険性があるのはベテランであればわかっていたはず。ベテラン3名がいたにもかかわらず、このような事態に陥ってしまった理由はどこにあるのでしょうか?

     それが「なじみのヒューリスティクス」と呼ばれる判断のゆがみなんです。

     ベテランには雪山を無事に降りることができた経験があります。その経験から

    「今回も大丈夫だろう。」

     という判断が、他の危険要因よりも優先されてしまう傾向にあります。これがなじみのヒューリスティクスです。

     ビギナーで、その雪山を無事に下りた経験がなかったとしたら、途中で引き返すという判断もできたかもしれません。

     ベテランだから判断の精度が高いという常識は、ヒューリスティクスによって覆されてしまうのです。

     これらは列車の脱線事故、航空機墜落事故など、過去の大きな事故の原因になっていることが多いです。

    大人よりも子供の判断力


     さて「釜石の奇跡」に当てはめてみましょう。

     子供達は避難訓練の中で、2004年に発生したM9.1のスマトラ沖地震による大津波の映像を見ていました。

     もちろん周りの大人達も、その映像はニュースで知っていたはずです。

     そして今回の大地震に遭遇したときに、それぞれがどう判断したのか?がポイントとなります。

    子供:「学校でビデオに見た大津波とおなじ状況になるかもしれない!」

    大人:「今まで、津波がここまで来たことはないから、今回も大丈夫だろう。」

     これが当時の判断でした。これだけでは奇跡は生まれません。このような判断の場合、子供は大人の指示に従いがち。これでは想定外の津波に飲み込まれて悲劇しか生まれません。

     奇跡を生み出した背景にはもうひとつのキーワードがありました。

    「津波てんでんこ」

     津波が来たら、てんでばらばらに逃げること。これは簡単なことのようで、実践することが難しいです。

     本当の信頼があってこそ、実践できること。

     家族を守りたいと思ったら、家に残っているかもしれない子供を助けにいかなきゃと考えるでしょう。

     それは本当の信頼ではありません。

     自分が生き延びてこそ、再会があるんです。だから、津波てんでんこ。

     私達は経験を繰り返すことによって、未来を予測しています。そしてその予測は正しいという想定のもと、行動します。いや、ときには行動しないという判断もあります。

     今回の「釜石の奇跡」では大切なことを残してくれました。

    「想定をしないこと」

     「想定外」という言葉が注目されました。どれだけ私達が想定の範囲で行動しているのか?もう一度考えてみてください。

     その想定があなたの判断をゆがめる危険性があるからです。

  • Scheme405:経験が想定を創り出し未来を見通す。それが判断をゆがめる危険性がある(なじみのヒューリスティクス)。
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