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慣性の法則をどうやって発見したのか?

 先日、フーコーの振り子について紹介しました。ちょっとそれに関連した話題を書きたいと思います。こんにちは、コンセプトデザイナーの多ぁ望です。

  • Try365:勉強は自分の目で確かめ、自ら計算して理解し、実物を実感して納得しよう。

  •  私は理系で育ってきたタイプなんですが、理系の考える物理学と、文系が考える物理学はかなりアプローチが異なることを実感しました。

     最近、妻が勉強している「物理学」とは、まず物理学の歴史から入る。

     細かい数式がどうのこうの、というのはあまり深入りしません。

     物理学という言葉は比較的新しい言葉で、その前身は哲学だったり、占星術だったり、錬金術、あるいは魔法だったりしたわけです。

     そういう歴史を知ることは、これまた面白いものです。

     それを教えてくれるのはこちらの本です。

    No.469

    物理学とは何だろうか〈上〉 (岩波新書)物理学とは何だろうか〈上〉 (岩波新書)
    (1979/05/21)
    朝永 振一郎

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    物理学とは何だろうか〈下〉 (岩波新書 黄版 86)物理学とは何だろうか〈下〉 (岩波新書 黄版 86)
    (1979/11/20)
    朝永 振一郎

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     今日のトライ宣言です。

  • Try366:物理学は歴史から学ぼう。数式を理解するよりも、楽しい物語がある。

  • 朝永先生の市民講座「科学と文明」


     朝永(ともなが)振一郎先生とは、量子電気力学の分野でノーベル物理学賞を受賞された方で、本書は1979年出版、現在第48刷というロングセラーの新書です。そして朝永先生の遺作でもあり、執筆途中で他界されたというもの。

     下巻の最後には1976年に行われた市民講座での「科学と文明」という講演会の内容が取り上げられています。

     ここには朝永先生の科学に対する想いが込められており、物理学のなりたちから科学の恐ろしさに切り込み、社会と人間の視点を私達に与えてくれます。

     とても説得力のある内容であり、また実験というアプローチによって、物理学が成り立ってきた背景がよくわかりました。学生の頃にこんな内容が聞けたら、きっと勉強もおもしろかっただろうなと実感。

     その中で、ノーベル物理学のメダルについてのお話がありました。特に裏面の絵に注目です。こちらのサイトに写真が紹介されています。

  • ノーベル物理学賞、3名の日本人科学者の快挙

  •  裏面にはベールをかぶっている女性(ナツーラ=ネイチャー)と、ベールを持ち上げて顔をのぞいている女性(スキエンチア=サイエンス)が描かれています。

     自然の女神は本当の姿を見せたがらない。そして科学とはそのベールをまくって素顔をみるものだという意味なのだそうです。

     では、ガリレオが取り組んだ、その素顔を見る行為を紹介します。

    振り子の実験からひらめいたこと


     最初の話題「慣性の法則」に戻ります。この法則はニュートン力学の運動の第一法則とも呼ばれています。

  • Wikipedia:ニュートン力学

  •  実際に発見したのはガリレオだとされています。

     その意味することはこちら。

    外力が加わらなければ、質点はその運動(静止)状態を維持する。(力を加えられない質点は等速度運動(等速直線運動)を行う)

     もうちょっと詳しい解説はこちらに紹介されています。参考にしてください。

  • わかりやすい高校物理の部屋:慣性の法則

  •  私達が普段の生活や、自然に触れる機会を考えたときに、物体が「運動状態を維持する=動きつづける」状態を目にすることはありません。

     これが自然の女神がベールをまとった状態であるということ。

     では、ガリレオはどうやってそのベールをもちあげたのでしょうか?

     ここで前回紹介した振り子が出てきます。

    振り子の周期=2×π×√(l/g)

     lは振り子のつりひもの長さ、gは重力加速度です。では振り子の重りは?

     そうです。振り子の周期はつりさげる重りの重量には寄らないんです。ここまでは誰もがつりひもと適当な重さの物体を用意すれば実験できます。

     ぜひ実験してみてください。

    1.ひもの長さlをある重さの物体に取り付けて周期を測る

     ここで重さを変えて周期を測ってみましょう。周期が変わらないことを自分で実感することが大切です。

     仮に測定値がt秒だったとします。

    2.ひもの長さを半分にして周期を測る

     これは計算上、t×√1/2=t×0.7秒となります。

    3.ひもの長さを2倍にして周期を測る

     今度は計算上、t×√2=t×1.4秒となります。実際に正確に測らなくとも、ひもの長さで周期が変わることが実感できると思います。

     ではここで質問です。

    「ひもの長さが無限大となったら、どうなりますか?」

     ガリレオはこの振り子の実験から、この問題を考え、あるひらめきにたどりつきました。

     ひもの長さを長くしたら、周期が長くなります。ひもを無限大の長さにしたら・・・?

     当然、周期も無限大です。

     当然って??

     計算上当然なんですが、朝永先生の本を読んで衝撃を受けました。

     これが慣性の法則なんですよね。ガリレオが振り子の実験から自然の女神の素顔を見た瞬間です。

     つまり、物体は永遠に一方向に動き続ける=慣性の法則ってことなんです。

     こういう先生に、直接お話を聞きたかったと改めて思いました。

     今日のトライ宣言です。

  • Try366:物理学は歴史から学ぼう。数式を理解するよりも、楽しい物語がある。
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